温室効果ガス排出抑制の切り札として再生可能エネルギーによる発電は近年多く導入されています。ソーラー発電はその中でも広く普及が進んだ方式であり、工場や住宅の屋根や広大な土地に発電パネルが取り付けられています。家庭の屋根に載せられているパネルは合計出力が数キロワットであることが多いのですが、広い土地に数百から数千枚のパネルを置いて発電するシステムでは、メガワットクラスの発電容量となり通称メガソーラーと呼ばれます。家庭の発電設備であってもメガソーラーであっても、パネルで光を直流の電気にしてから接続箱を介してパワーコンディショナーに送り、交流の電気に変換することに変わりはありません。

出力が50キロワットを超える規模のシステムでは、電力会社との接続は高圧接続となるので、キュービクルと呼ばれる高圧電気設備が必要になります。機器と機器を結ぶ配線はケーブルを用いていますが、発電部は屋外に置かれているため、紫外線や風雨にさらされていて劣化が進むことが考えられます。ケーブルにはシースと呼ばれる外皮があって紫外線などの外的要因に強い製品もありますが、内部の銅線を覆っている絶縁体はポリエチレンなどの紫外線に弱い材料がほとんどです。ケーブル配線の接続時には電線を剥いてつなぐため、どうしても絶縁体部分が露出しがちです。

こうした場合は、劣化に強い素材のテープをしっかりと巻くことで絶縁体の損傷を防ぐことができます。メガソーラーでは法的な点検が義務付けられていますので、その際には絶縁抵抗や接地抵抗などの測定だけでなく、屋外露出のケーブル及び接続箇所の劣化状況についても調査するべきであります。万が一、劣化が原因で短絡や地絡などの事故が発生すると、場合によっては周辺地域全体の全停電を引き起こす恐れがありますので、注意が必要です。

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